こつこつと、もくもくと、たんたんと  

 

 

 

 

 

少し前のことになりますが

山口県長門市の俵山にある『ロバの本屋』さんへ

お料理をしに行って来ました。

 

ロバの本屋のいのまたさんとは

経堂でお互いに店をやっていた時からの知り合いで、、、

というか、いのまたさんが経堂のすずらん通りの奥で

『ロバロバカフェ』をやってくれていたことがご縁で

私も経堂で店を始めたようなものなのです。

もう10年以上も前のハナシですけど。

 

なんだかあの頃は、ふたりともほんとうによくがんばっていたと思う。

いや、今だってもちろんしっかりがんばっているのですけど。

なんというか、“学生時代のきつい部活を一緒にがんばった”

みたいな感じがあります。いのまたさんとは。

今思い返せば楽しかったけどね、みたいな。笑

 

その後お互いに経堂を離れ、

いのまたさんは俵山で『ロバの本屋』を、

私は葉山で『昵懇』を始めることになり

ふたりとも経堂の頃よりも自分が想ったことやカタチを

少しずつ実現できているように思います。

 

そんな風になんとなく似たような時間の流れも手伝って

いのまたさんとはその後もずっとお付き合いが続いていて

ロバの本屋での“こつこつ、もくもく、たんたん”のイベントも

今回で4回目となりました。

 

そして今回、私は初めてロバの本屋さんで出張料理をすることになり!

どきどきわくわく。

 

6月16日の夜にちょっと本格的なコースのお食事を、

18日にはカフェで簡単なオムレツのプレートやおやつをお出ししたのですが、

中日(ゆっくりする予定だった・・・)の17日含め、

仕込みとか、みんなのごはんの支度とかで

なんだかんだとずっとずっとずーーーっと

いのまたさんちの台所で料理をしていました。

 

風通しがよく、柔らかな自然光が降りそそぐ、

いのまたさんちの昔ながらの土間の台所、

ほんとうに居心地がよかった。

 

いろいろ揃っていて、整然と機能的なキッチンはもちろん使いやすいです。

けど、使いやすいことと居心地がよいことがイコールでは決してなく

普段そのキッチンが誰にどんな風に愛されて

どうやって使われているか、

ということが居心地のよさに繋がるのだと思います。

 

いのまたさんちの台所は、たぶんそこに立つ時間が一番長い

いのまたさんはもちろん、家族のりゅうちゃんやビクター(愛犬)、ミーコやん(愛猫)

そして、代わる代わるいのまたさんちに泊まりに来る

たくさんのひとたちみんなに愛されているんだろうなぁと思いました。

 

あんな心地よい台所があるならば、おうち全体の居心地もよいに決まってる。

 

そんな場所に立って料理をし続けた3日間

今思い返してもほんとうにシアワセな気持ちになります。

 

きちんとしたお料理のイベントは、ロバの本屋さんでは

今回が初めてだったとのことで

実はずっと緊張していたといういのまたさん。

そして、だんなさんのりゅうちゃんまでも

『今までやったことないし、どうなるのかな〜って緊張してた〜』って。

 

それを聞いて、『え〜?なんでよ〜?』なんて笑いつつも、

ほんというとなんだかぎゅーっとした気持ちになって

ちょっと泣きそうになった。

 

私としては普段やっていることをきっちりやるだけだし

出張料理ももう何回目かでだいぶ要領も分かったきたし

今回はいのまたさん、外間さん、Picnikaのつるくんという

贅沢な助っ人に助けられて、いつもよりも楽ちんさせてもらったな、

という感じだったのに。

 

直接手を貸すとか、手伝うとか目の前の現実的なことだけじゃなくて、

目には映らないけれども、こういう誰かの気持ちや想いに

支えられているんだなって。

時々、全部自分ひとりでやっているかのような気持ちに

ついとらわれることがあるけれど

そうやってひっそりと、けどしっかりと力になってくれている何かが

いつも必ずあることを絶対に忘れてはいけないんだって。

いつも誰かに助けられているんだなって。

 

『ロバの本屋さんって遠いの?』

 

『すごく山奥なの?』

 

ってよく聞かれます。

 

山口の宇部空港から本数の全然ないローカル線を乗り継いだりするし、

バスにも乗るし、着いた先はかなりの山奥です。

 

ロバの本屋からちょっと歩いて行ける範囲に

コンビニもスーパーもないし、

外食出来るようなお店もないです。

 

けど、たくさんの樹々が生み出す濃い緑の空気と

空を埋めつくす星と

星と同化するかのように飛び交う蛍と

山の静寂と、

そしてなによりも、ロバの本屋がある。

 

つまり、なんでもある。

 

いろいろ考えずに、ほんとうに行ってみたいところには

行ってみたらいいのに、と思う。

実際に足を運ばずとも得られる情報がたくさんあるから

なんとなくそれで満足してしまって・・・

ということがあるけれど

自分の足で行ってみないと、立ってみないと

食べてみないと、話してみないと

感じられない事であふれている、という素晴らしい現実があるのです。

 

来年、自信を持ってまたここに来る事ができるように、

私は自分の今の居場所の葉山の台所で

こつこつ、もくもく、たんたんと日々を重ねてゆこうと思います。

 

みなさん、ほんとうにありがとうございました。

 

 

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